修復・メンテナンス/RESTAURO

2009年3月 8日 (日)

ブロンズ像の修理・メンテナンス

ブロンズ彫刻は本来、その素材の特性から、時間の経過と共に、深みのある落ち着いた色合い(風合い)へと変化していきます。

しかし、どんなに美しい鋳肌を持ったブロンズ彫刻でも、何もせずに放っておいては、なかなかそうはなりません。

手入れをしないでいると、やがて表面のツヤが無くなり、色もあせ、部分的に醜い緑青が表れてきたりします。

ブロンズ彫刻にとって、汚れやホコリ、湿気、酸(酸性雨)等は大敵です!

そこで、大切なブロンズ彫刻をいつまでも美しく保つ為に、日頃から簡単にできるお手入れ方法をご紹介します。

  ◇     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇

屋外にある作品の場合は、クルマのお手入れと同様に、まず汚れや埃を水でよく洗い流してから、乾燥させます。

その後、ごく少量のカー・ワックスを柔らかい布によく馴染ませて、作品全体を軽く磨き上げて下さい。

但し、コンパウンド入りのワックスは禁物です!。また、ワックスの付け過ぎにもご注意を!

日頃、カー・ワックスの拭き取りに使用している布等がありましたら、それをそのままワックスを付けずに用いるのも良い方法です(いずれも、初めは目立たない箇所で調子を見て下さい)。

また屋内の場合には、作品の凹部などにホコリが溜まらないよう、柔らかい布で全体を拭ってあげるだけでOK!

仕上げに、掌(てのひら)で全体を優しく撫でてあげれば、手の皮脂がいい具合にワックス効果をもたらします。

愛着を持って接する程に、価値が増していくのが、〝ブロンズ〟なのです!

  ◇     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇        

なお、どうしても錆や変色が気になる・・、という場合は、当工房へお気軽にご相談下さい。

最善の対処方法を、できる限り低コストでご提案させていただきます。

また、作品の一部が破損したり、欠落した部分(部品)が無くなってしまった!?  などという場合でも、当工房の熟練した専門技術(鋳造・熔接・彫金・着色・造形)によって、ブロンズ本来の価値を損なうことなく、大切な作品を甦らせることが可能です。

『一人でも多くの方に、ブロンズ彫刻の本物の魅力を、もっと身近に感じてもらう事』が当工房のモットーです。

ブロンズ像の修理・メンテナンスに関するご相談なら、お気軽にメールまたは電話でご連絡下さい(ご相談・お見積り無料)。

【創業1964(昭和39)年】
ブロンズ彫刻工房アルテキャスト/清水美術鋳造所

 メール: s-bronzo@nifty.com   

 電 話: 03-3607-2388  (担当:清水)  

※箱根彫刻の森美術館・美ヶ原高原美術館・長野市野外彫刻をはじめ、全国の美術館・個人蔵 ブロンズ彫刻 屋内外・大小作品の修復実績多数有り。

(2009/3/8)

2008年11月30日 (日)

東京国立博物館・保存修復課 の見学③

東博では、文化財の保存事業を「活用(展示)」「保存(修理)」の二つの意味に捉えた上で、お互いを両立させて行く過程を人間の臨床医学になぞり、「臨床保存」と称しています。

歴史を重ねるほどに価値を深める文化財ですが、古くて貴重なものほど検査やメンテナンスが必要となるのは、私たち人間と同じということです。

一方で、私が扱うブロンズ彫刻の修理の仕事などでも、作品をグラインダーで切断したり、溶接を行ったりしている時に、

「まるで外科手術をしているようだ!」と感じることがよくあります。

博物館の保存事業と、我々の修理作業と、お互い立場や状況が異なっても、生身の人間を扱うが如き両者のイメージは、

共に文化財、或いは作品と必死に向き合っているからこそ得られる、言わば〝命懸け〟(=やり直しが効かない、失敗が許されない)の境地の表出なのかも知れません・・・。

P10105431_2

美ヶ原高原美術館・野外展示作品の修理(平成20年6月撮影)

(2008/11/30)

2008年10月27日 (月)

東京国立博物館・保存修復課 の見学②

12万件にものぼる文化財を収蔵する東博では、日常的に行われる保存や修理について・・・

「修理によって新しいものが付け加えられる事無く、オリジナルの状態をできるだけ残す」

「現状の状態を固定し、それ以上傷まないようにする」という取り組み方・考え方が実践されています。

これらの事は美術鋳造の現場でも、例えば物故作家の破損した原型の取り扱いや経年変化で腐食した作品のメンテナンス(色直し)といった場面などで、大いに参考となり得るものです。

P1000021_2_7           「三角縁仏獣鏡」 古墳時代・4世紀               (平成館1階・考古展示室 2007年1月2日撮影)

P1000022_3_2            模造「金印」 原品=後漢時代・1世紀
(平成館1階・考古展示室 2007年1月2日撮影)

●                                        文化財の模造・模写も「保存・修理」の領域に含まれます。                 

③につづく

(2008/10/26)

2008年10月20日 (月)

東京国立博物館・保存修復課 の見学①

今年の7月、東京国立博物館・保存修復課の見学会に参加しました。

この見学会は、過去に東博で数回行われた「保存と修理の現場に行こう」という一般向け見学ツアーに準じたものです。

当日は保存修復課長の神庭信幸氏から、保存修復課の歩みと博物館に於ける文化財の保存・修理の概要について説明して頂いた後、実際に保存修復の作業が行われている現場(刀剣の研磨)を見学しました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

P1010589_2_2
本館1階・17室 「文化財を守る ―保存と修理―」
THE TOKYO NATIONAL MUSEUM'S MISSION

②につづく

(2008/10/19)

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ